2005年11月11日

長崎旅行 その4「稲佐悟真寺国際墓地」

5日は、稲佐悟真寺国際墓地へ行ってきました。

ネットで調べると たとえば下のようなサイトが見つかりました。
http://www.at-nagasaki.jp/nagazine/hakken0203/index1.html
http://park10.wakwak.com/~cdc/nagasaki/inakokus/

特に観光地というわけではなく、現地へ行くまで
(ていうか 5日の朝まで!)存在すら知らない場所でした。
たまたま観光案内のマップを見てて 「あ、ここ いいかも」と
気まぐれで選んで そんでバスにひょこっと乗って。
JR長崎駅から バスでほんの数分。その気になれば徒歩でも行けるかも。

坂が東を向いてます。そしてその坂の下には、長崎の港が。
午前だったので 日を浴びる墓地の写真が撮れるかな、という
単にそれだけの理由でした。



かなり広い敷地に、さまざまな国の人のお墓が。
日本人、中国人、オランダ人、ロシア人、アメリカ人・・・
当然お墓の形も さまざま。
本当に長崎の港を見渡せて 安らかに気持ちよく眠れそうな場所でした。

坂の上から(下が正面入口になるので、裏からになります)敷地内におじゃまし、
墓地の真中を通る 石畳 レンガ壁の通路を降りて行きました。
中国人墓地の敷地内に 綺麗なピンクの花が 一面咲いている一角がありました。
しずかな空間でした。しばらくしゃがみ 佇んでいました。



一度下まで降りて ロシア人墓地の方へ。
中でお掃除をしているご婦人がいらっしゃいました。

「中におじゃましても構いませんか? 特にお参りに来たのではないのですが・・・」
「どうぞ。 中の方までご覧になってくださいね」

ご了承を頂くと その後で
「お参りもしてあげてくださいね。喜びますから」
「そらそうですね(^^;;」

仏教すら知らない無信仰な私 ロシア正教のお参りの仕方など知っているはずもなく。
ただ手を合わせ これからも安らかに眠れるようお祈りし。

いきあたりばったりで訪れたものですから 当然予習などできておらず、
こちらの墓地の歴史など全く知らず。
原爆が落ちた時は 果たしてここはどうなってたんだろう などと考えていると・・・
高い石の上に建てられていた大きな十字架が ぼっきり石の根元から割れて
石にたてかけられていました。
原爆の被害かとも思い 先ほどのご婦人に伺おうと また声をかけてみると、
60代位の別のご婦人が かわってお話をしてくださいました。
こちらの方が、どうもお寺の方のようでした。

十字架が折れているのは 昨年の台風の被害だそうです。
「原爆の被害は、どうだったんですか?」
「墓石、みんな吹き飛ばされてたんですよ」

なんでも終戦直後は、鉄の十字架が一晩で根っこから切られて盗まれていたり、
(鉄クズとして売られたようです) 墓石もなにもかも もうめちゃめちゃな状態だったとか。
これはあんまりだと、墓地の再生に援助をもらおうと、
長崎市に掛け合い 断られ、今度は県に掛け合い また断られ。
ロシア大使館へ行き などとしているうちに
日本国内のロシア正教の教会にご縁ができたそうです。
終戦直後でしたので 当時のお寺の住職さんですら
「ロシア人が宗教など信仰しているわけがない」と 誤解していたそうなのですが、
太平洋戦争の時は 「敵国」 しかも共産主義ということで
簡単には交流が持てなかった そんな時、
「一度ぜひ、信仰の様子を 観に来てほしい」と 言われたそうです。

それはえらいこっちゃ! 行ったら帰って来れるわけがない! という
猛反対を受けながらも 住職さん 海を渡ったそうです。
それからたびたび お招きを受け 数回ロシアまで行っておられたとか。
長い時間をかけ 時には軍用機でモスクワ レニングラード 遠くはカスピ海の方まで・・・。

信者の方は みな誰も とても貧しい。
(ソビエト政権は、ロシア正教に対してかなりの迫害をしていたようです。
 簡単にですが Wikipedia に書かれていました。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E6%AD%A3%E6%95%99%E4%BC%9A
厳格な戒律で 長時間の礼拝で。(なんと 立ったままで 3時間半も行われるのだとか)
でも 誰も とても熱心だったそうです。

最初は誤解していた住職さんも その熱心さを理解し、
長崎の ご自分のお寺のロシア人墓地を
ずっときちんと守り続けてきたそうです。
それが広まり ロシア正教の偉いお坊さんや
数年前にはゴルバチョフさんもこの墓地を訪れたとか。


・・・なんかどうも とってもおしゃべり好きな方だったようで(^^;;
1時間ほど お話をして頂きました。

でも お話を伺いながら
戦争や 対立 それらが 宗教の違いにより起こると論ずるその発想が、
ほんっとに馬鹿馬鹿しく思えてきました。


2001年9月11日の ニューヨークでの出来事を
宗教の対立と 平然と言い放つ考えが あります。
「宗教」が「対立」の「要因」だと。
平和学で有名な とある大学の偉い教授すら、平気でそんなことを言います。

「人を見る目」 「人の気持ちを感じる心」を 持てないのならば
平和学などと言わなければいい。

宗教で、絶対に戦争は起こりません。

歴史の中で、確かに「宗教」が「戦争」の理由に利用されたことは、ありました。

宗教が理由ではなかったはずです。

人の心が、戦争を起こしただけです。
「自分の宗教こそ正しい、他の宗教は正しくない」という心が。



だから 逆に
「宗教の違い」から敵対心という 一方的な偏見を持たずに
他者を大切にしてきた こちらの墓地は

心休まる場所でした。



春になると、桜がとても綺麗だそうです。
どんどんと とても元気に根をはっていくのだとか。
(ぼそっと 「ロシア人は栄養がいいからかもしれない・・・」と 冗談をおっしゃってましたが)

花が育つのは そこが 安らかな場所だからかもしれません。

posted by ようだい at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行・散歩・お店紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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